No.1 教育問題について

【質問】
 「完全学校週5日制」「絶対評価」「総合的な学習の時間」の完全実施などの大きな教育改革が行われた平成14年度は、その意義が支持される一方で、「学力低下」の議論に揺れた1年でもありました。千葉大学天笠茂教授監修による教育改革にかかわるアンケート調査は、本年1、2月に実施されましたが、その中に、「重要度が高く、早急の対応が必要と思われるもの」を13項目の中から3つ挙げよという問いの中で、保護者の反応の1位は「いじめや不登校の対応」が49.9%、2位は「心の教育・道徳教育の充実」が43.3%、「学力低下の解消」は5位の34.3%にランクされております。マスコミで取り上げられている「学力低下」の問題よりも、むしろ現実の「心」の問題に関心の深さがうかがえるのであります。
 新区長の所信表明の中でも触れられているように、学校教育の場において、「朝の読書時間」を実施しており、子どもたちの心の育成に努められております。当区においても、本年度「練馬区子ども読書活動推進計画」を策定されることは、遠回りであっても、子どもたちの健全な育成を目指す上からも評価できるものであります。子どもの感性を磨き、より創造力を豊かに育て、人生をより深く生きる力を身につけていく「読書運動」に引き続き力を入れていただくことを要望いたします。

 2点目に、生きる力を育てるための「総合的な学習」の時間の必要性は、教師、保護者からも高い支持を得ており、今後一層の授業内容の充実が期待されているところであります。そのために、総合的学習推進委員会において、授業研修会や事例研究会が進められております。しかし、現場の教師は、さきのアンケート調査では、「負担である」と回答した教師が38.3%、「やや負担である」と回答したのが50.0%と、9割に近い教師が「総合的な学習」の時間に負担を感じていることが明らかになりました。最大の理由としては、他の日常業務を圧迫しているということが大きな要因です。完全学校週5日制に伴って、過密な日常業務を進めている中で、一人ひとりの生徒の進度を見極め、適切に助言・指導していくには、何といっても教師の時間の確保が必要であります。そのために、学校現場での徹底した事務作業のリストラやスリム化を更に推し進めていくべきであると思います。せっかく導入された「総合的学習の時間」の充実を図り、それぞれの学校が誇れる「総合的学習の時間」の充実に取り組まれたいと思います。

 また、保護者の中には、「総合的な学習の時間」について、「授業がどのように進められているのかわからない」等の声を聞く機会があります。そこで、重要なことは、学校側から保護者への具体的な説明であります。各学校においては、保護者会等で「総合的な学習」についての目的や年間指導計画等が既に発表されております。それぞれ工夫されているとは思いますが、毎回の保護者会等で学習内容やエピソードを紹介したり、学年・学校だよりで特集記事を載せ、紹介するなど、保護者に理解していただくための細やかな配慮が引き続き必要であると思います。
 今後の「総合的な学習」の時間を充実させるためには、学校側の熱意ある説明が大変重要なポイントになると思います。

【区の答弁】平成15年第2回定例会にて
薗部教育長:
 第2に、子どもたちの心を育てる読書運動に関するご質問についてであります。
 教育委員会といたしましても、「確かな学力の育成」とともに、「子どもたちの豊かな心の育成」を重要な教育課題ととらえており、道徳教育をはじめ、全教育活動を通じて、さまざまな場面で子どもたちの心を耕す取り組みを実践しております。
 ご提案の読書活動につきましては、現在、練馬区の学校においては、朝の読書タイムや読書週間の設定、集会活動での本の紹介、地域の方々のご協力による読み聞かせなどの実施により、読書活動の日常化に努めているところであります。
 また、子どもたちの読書活動を広く進めることをねらいとした「練馬区読書活動推進計画」を今年度中に策定するため検討組織を設置したところであります。具体的には、学校、幼稚園、図書館や児童館など、関係各機関との連携や協力体制の整備を目指し、家庭、地域と一体となった子どもたちの読書活動の充実に向けて取り組んでまいります。
 いずれにいたしましても、引き続き、豊かな心の教育の一環として読書活動の推進に努めてまいります。
 第3に、「総合的な学習の時間」の充実についてお答えいたします。
 この総合的な学習には教科書がなく、平成12年度から始まった新教育課程への移行期においては、多くの教師がさまざまな戸惑いを持ち、試行錯誤を続けながら取り組んできました。しかしながら、4年目に入り、各学校の学習内容も充実してきております。今後、学校週5日制のもとで、教師が教材研究等を十分にできるよう、時間的なゆとりを生み出すためにも、各学校が会議の精選を図るなど、学校運営の効率化を進めていくことは重要であると考えます。
 教育委員会といたしましても、各学校がこれまでに積み重ねてきた実践例を、全体のものとして生かせるよう指導・助言してまいります。
 次に、総合的な学習の保護者への説明についてであります。
 各学校が総合的な学習について説明することは、保護者や地域が子どもたちの教育活動を理解する上で極めて大切なことであります。このことは、地域に根ざした教育活動に深くかかわるものと考えます。
 現在、各学校では、保護者会や学校通信等の活用はもとより、総合的な学習の授業に保護者や地域の方に参加していただくなどの取り組みを進めており、一定の成果を上げております。今後も学校がわかりやすく丁寧な説明を繰り返すことで、「総合的な学習の時間」が一層充実するよう指導・助言に努めてまいります。

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