No.5 小学校における校内防犯対策について

【質問】
 平成13年6月、大阪教育大学附属池田小学校の殺傷事件をはじめ、平成15年12月には京都府宇治市の小学校で傷害事件が起こるなど、学校への不審者侵入事件が相次いでおります。警察庁の調べによると、学校などで発生した凶悪犯は平成15年度で99件に達し、住居侵入も2,660件に急増しております。

 練馬区においては、平成15年度、小学生を取り巻く不審者関係の事件発生件数は58件、その中で学校への不審侵入が2件、傷害が6件、性被害が50件でありました。社会的弱者である子どもたちがねらわれる犯罪が練馬区においても急増しており、極めて憂慮すべき状況であります。

 練馬区では、平成13年7月に、学校安全対策検討委員会の検討提言が第二次安全対策として教育長に提出され、ハード対策、ソフト対策、人的対応、予算措置が学校現場で具現化されました。

 一方、私ども練馬区議会公明党は、本年2月、区立小学校27校を訪問し、学校長などから学校の安全対策に関しての要望を伺いました。人的支援に対する要望や、防犯カメラ、センサー、フェンス、インターホンの設置、防犯グッズ、財政措置など、さまざまな意見、要望がありました。また、安全管理と開かれた学校との間での悩みなどもありました。そのまとめは、3月に教育長に提出させていただいたところであります。

 防犯対策は一過性のものではなく、日常的、継続的なものであります。志村区長の推進する「安全・安心のまちづくり」と呼応し、学校の安全安心においても、一刻も早く学校安全対策検討委員会を招集し、現状を把握した上で、練馬区としての第三次安全対策をまとめ、対応すべきであると思いますが、ご所見をお伺いいたします。

 次に、学校内の防犯のための人的支援についてお伺いします。
 先日、杉並区立第十小学校を視察してまいりました。この小学校は18年前に、地域に開かれた学校をとの地域住民の方々からの要望を積極的に取り入れました。グラウンドが公園と隣接し、その隣接部分には門のない出入り口があり、災害時には避難拠点となるため、学校関係者以外の方が自由に学校敷地内を通ることができます。

 昨年の学校評価では、学習活動や特別活動では保護者の評価が高かったものの、安全面についての心配の声が数多く寄せられ、新たな防犯対策をとったとのことであります。今まで7か所あった校舎への出入り口を事務室前に統一し、本年2月より、地域の方に受付ボランティアを頼んでいるとのことであります。学校を閉鎖的にはせず、安全管理を進めるためには、学校として守るべき領域を明確にしたうえで訪問者の立入りをコントロールすることが、学校施設の防犯対策のポイントであります。

 練馬区においては、学校安全安心ボランティア事業が6月より7校で始まります。東京都内でも先駆を切る事業として期待しているところでありますが、条件の整った学校から受付ボランティアを積極的に進めるべきであります。この事業は、地域の皆様のご協力があって成り立つために拙速は避けなければなりませんが、いつごろまでに全小学校で実施する予定なのかお伺いいたします。

 また、この事業において、防犯の効果を更にあげるための工夫も必要であると考えます。用務主事室近くの昇降口のドアにドアセンサーを設置し、訪問者の出入りを明確にすることによって、より効果的な受付ボランティアを進めることができます。現在、各小学校では、配当予算の範囲内で防犯対策の整備を行っておりますが、同事業の開始を契機として、全小学校にドアセンサーを設置すべきであると思いますが、いかがでしょうか。

 また、用務主事と受付ボランティアとの時間的な調整を図るなど、役務の明確化の必要性もあると思いますが、いかがでしょうか。

 更に、この事業は、小学校の授業中における安全対策でありますが、学校管理下にある登下校の防犯については、どのように考え、対策を講じられるのかお伺いいたします。

 2点目は、緊急対応マニュアルについてお伺いいたします。
 平成13年7月、教育委員会より緊急安全対応マニュアルが提示され、各学校においてマニュアルが作成されております。この3年間でその作成状況は、現在どのようなものなのかお示しください。

 各学校により学校施設の形態の違いや地域の状況もさまざまであることから、それぞれの学校に合った緊急対応マニュアルを作成し、日常的にそれに沿った点検や防犯訓練を行う必要があります。そのため、マニュアルの内容は極めて専門性が要求され、実効性のあるものにする必要があることから、全てを学校現場に任せるのではなく、危機管理のスペシャリストによるアドバイスを受けることも大変重要ではないでしょうか。

 本年4月より警視庁は、各学校と連携した諸活動を推進するスクールサポーター制度を発足いたしました。警視庁のOBが任命され、各警察署に1名配備されております。練馬区としても、このスクールサポーターの方に助言をいただき、内容の充実を図っていくべきと思いますが、ご所見をお伺いいたします。

 また、緊急時に適切な対応をとるためには、日ごろの教職員の危機管理意識の向上や、子どもたちが自分自身の身を守ることができるようにするために、知識習得と訓練の場としての防犯教室の実施などが大切であります。特に各学校においては、緊急安全対応マニュアルを用いた防犯訓練や職員研修を行い、教職員一人ひとりが自分自身の役割分担を明確にすることが重要であります。練馬区としては、各学校における防犯訓練の実施状況はどのようになっているのかお示しください。

 防災訓練とあわせて防犯訓練も欠かすことができません。児童の発達段階に合わせたカリキュラムを検討し、全小学校で定期的に、積極的に取り組むべきであります。ご所見をお伺いいたします。

【区の答弁】平成16年第2回定例会にて
 次に、小学校における校内防犯対策についてであります。
 教育委員会では、大阪教育大附属池田小の児童殺傷事件を契機に、平成13年6月に学校安全対策検討委員会を設置し、翌7月に速やかに取り組むべき第二次安全対策を取りまとめ、学校現場での安全対策に努めてきたところであります。
 ご指摘のとおり、防犯・安全対策は一過性のものではなく、日常的、継続性に取り組む課題でありますので、改めて学校安全対策検討委員会の招集を含め、従来取り組んできた安全対策をさらに充実するために努力してまいります。
 次に、学校内の防犯のための人的支援についてであります。
 ご指摘のように、学校を閉鎖的にはせず安全管理を進めるためには、学校として守るべき領域を明確にした上で、訪問者の立入りを把握し調整することが、学校施設の防犯対策のかなめであると考えております。
 6月から小学校数校で先行実施を行った学校安全安心ボランティア事業は、PTAをはじめ地域の皆様にボランティアとして学校にご協力いただき、来校者への声かけなどにより、授業時間中の安全管理を図るものであります。地域の皆様の学校へのご理解とご協力があって初めて成り立つ事業でありますので、実施に当たっては地域事情を踏まえ、慎重に進める必要があると考えております。このため、今月から先行的にスタートする小学校での取り組みを検証しつつ、できるだけ早期に全小学校で取り組めるよう努めてまいります。
 なお、本事業は、学校長の管理運営のもとに玄関受付でボランティアとして対応していただくものであり、用務主事との調整等、学校長が必要な対応を行ってまいります。
 また、登下校の防犯につきましては、現状の学童擁護員制度を、将来は学校応援団が登下校等を含めた安全管理事業として担う方向を考えておりますが、実現には時間が必要なことから、当面、子どもたちへの安全教育の充実を進めるとともに、パトロールや付き添いについて、PTAや地域の方々のご協力を引き続きお願いしてまいります。
 ハード対策としてのドアセンサーの設置につきましては、来校者を知る方法として既に半数近くの小学校が独自に設置しているところでありますが、今後、全校で設置するよう、学校の要望を踏まえつつ対応してまいります。
 次に、緊急安全対応マニュアルについてお答えいたします。
 現在、学校独自の緊急安全対応マニュアルは9割近くの学校で作成されており、未作成の学校も今年度中に作成する予定であります。教育委員会といたしましては、改めて学校マニュアルの基準を示すとともに、文部科学省の各種危機管理マニュアルや、学校で実施している不審者侵入を想定した避難訓練の強化をもとに、より実効性のある学校マニュアルの作成および改善を図るよう、生活指導主任研修会等を含めて、学校へ指導、助言しているところであります。
 また、区内3警察署に配置されたスクールサポーターにつきましては、早速、学校を巡回し、安全管理や犯罪被害、非行防止について助言をしていただいております。今後、緊急安全対応マニュアルの作成および改善についても、防犯の観点から具体的に協力していただきたいと考えております。

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