No.12 ニート対策について

【質問】
 ニートと呼ばれる若者の就労を支援する「若者自立塾」が、全国に先駆けて東京、福生市に開設されました。厚生労働省が7月からスタートさせた事業で、「若者自立塾」は全国で指定された20団体の一つであります。このように国のニートに対する支援策が動き出したものの、ニートの数は内閣府の調査によると85万人に上ると言われ、民間研究機関では、2010年に98万人となった後、2015年には109万人、2020年には120万人に達する見込みだと試算しております。ニートと言われる若者が、将来の少子高齢化社会を担っていくことを考えると、ニートの急増は経済のみならず社会全体に悪影響を及ぼし危惧すべき現象であります。練馬区としても看過できない現状であります。

 最初に、練馬区としてニートに対してどのように把握されているのか、その認識と対策をお伺いいたします。
 平成16年度、厚生労働省が行った実態調査では、ニートの約4割が学校卒業時または学校中退後、一度も求職活動をしていないとの報告がありました。義務教育時の社会体験的な活動や農業体験などを学校教育の中に取り入れていくことが、ニート対策には予防対策として大変重要であります。
 雇用問題に詳しい東大助教授の玄田有史氏は、中学2年生の14歳の時点で、全員に地域の大人と仕事を通じて交流する機会を持つなどのキャリア教育を進めるべきであると主張し、義務教育でのキャリア教育の重要性を指摘しております。
 公明党は、中学校2年生時の1週間程度の職業体験活動を「働くウィーク」として提言した結果、平成17年度から中学2年生を対象に、地域で5日間以上の職場体験を行う「キャリアスタートウィーク」が全国で始まりました。この試みは、既に富山県・兵庫県の両県の全公立中学校で実施され、大きな成果を上げております。
 先月、富山市教育委員会を訪問した折、市内全中学校26校の「14歳の挑戦事業」について視察してまいりました。1日、2日といった短期間ではなく、5日間の体験活動に意味がある、受入れ先から、子どもは3日目から目つき、顔の表情が変わってくる、子どもにとって辛いけれども喜びを実感できるのは5日間であるなど、成果を踏まえ確信を持って訴えられておりました。
 また、兵庫県の5日間の「トライやる・ウィーク事業」では、不登校生徒の登校改善に大きな成果を上げております。1年生時に不登校であった生徒の半数近くが、5日間連続して「トライやる・ウィーク」に参加し、そのうち約4割の生徒が実施前に比べ実施後の登校率が上昇しているのであります。
 先行している富山・兵庫両県の5日間の「キャリアスタートウィーク」を体験することにより明らかになったことは、子どもに喜び、充実感、達成感が得られ、自己有用感、自尊感情を生み出すことにつながっているということであります。また、将来の職業について真剣に考えるなど、自分の可能性を広げる契機となっております。このような事例を参考に、ぜひ練馬区においてもキャリア教育の一環として5日間の「キャリアスタートウィーク」を積極的に推進していただきたいと思いますが、ご所見をお伺いいたします。

 ニートは、義務教育時代の予防策とともに改善策も喫緊の課題であります。足立区では、本年6月1日より若者の就労支援をする「あだちヤングジョブセンター」がオープンし、人間関係に不安を持っていたり、働くことに不安を抱え、職につけない若者やその保護者にサポートを開始しました。ニート対応に実績のあるNPOや社会保険労務士会、ハローワークなど多方面と連携し、区内若者の就労支援を進めております。
 練馬区ではサンライフ練馬において、若年労働者キャリア形成支援・相談事業である「ヤングキャリアナビ」を行っております。この事業は本年9月から開始されましたが、その予約は100%入っており、需要の多さを実感いたします。しかし、毎週土曜日の午後3時間に限られているため、日常的に対応できないことが弱点であります。
 そこで、「ヤングキャリアナビ」を補完し、更に練馬区の若者のキャリアカウンセリングを行うNPOなどを常駐し、その対応に当たってはいかがでしょうか。また、足立区のように、ニートの若者やその保護者に社会参加と経済的自立を目標に、就労支援の援助や無料相談セミナーの開催や親向けの若者就労相談窓口など、積極的に推進すべきであります。

【区の答弁】平成17年第4回定例会にて
区民生活事業本部長:
 区内におけるニートと呼ばれる若者の実数については区として把握ができておりませんが、今後もニート人口は増加が予想されているところであります。若者が自らの生涯を有意義に過ごすことのみならず、わが国の将来を担う有為な人材の育成を図る観点からも、ニートの増加は憂慮すべき事態と考えております。
 区におきましても、地元の産業界や教育関係者をはじめとするさまざまな方々と連携し、地域特性に即した対策に取り組むことが重要であると考えております。
 そこで、区におけるニートに対する就労支援策についてであります。
 区では、本年8月に職業あっせんを行うワークサポートねりまを石神井公園区民交流センターに開設いたしました。また、9月には若者の就労を中心に相談にこたえるヤングキャリア・ナビゲーション事業をサンライフ練馬において開始したところであります。これらの事業は、若年層の就労支援に区として初めて取り組んだ事業であり、ワークサポートねりまでは、10月までの3か月間に34歳以下の方から延べ349件の就労相談を受け、就労に結びつけるなど大きな成果を上げております。
 今後、これらの事業の実績や相談内容も参考にしながら、若者の求める就労支援策を分析し、ご指摘の足立区の事例なども参考に支援策を検討してまいります。そのうえで、区内の事業者やNPOなどの方々とも協議をし、保護者向けの相談窓口の設置など、若者が未来に向けた一歩を踏み出せるための取り組みを更に進めてまいりたいと存じます。

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