No.49 スクールソーシャルワーカー(SSW)の活用について

 文科省は、八月学校基本調査速報を発表し、平成20年度中に30日以上欠席した「不登校」の小中学生は全国で12万6千805人でありました。少子化により人数そのものは平成13年度をピークに減少しているものの比率は横ばいであり、学年が上がるほど増加し、中学校3年生が全体の3分の1を占める結果となりました。練馬区の不登校の状況は、平成20年度、小学生は出現率0・39%の133人、中学生は出現率2・74%の376人でありました。練馬区として不登校の児童生徒に対する支援は、学校現場の先生方を始め、スクールカウンセラーや心のふれあい相談員、総合教育センター等の諸機関など、その解決のために力を注いでおります。一方、子どもの問題行動は、様々な背景と要因がからんで発生しております。学校と諸機関が連携し対応しているものの、それでもなお、指導困難な状況であるのが家庭的な要因のケースであります。学校の教育的指導の限界でもあります。例えば、保護者も含め家庭全体の生活リズムが崩れてしまっていることによるものなどが挙げられ、新たな施策が求められております。

 スクールソーシャルワーカーは、小中学校を拠点にし、不登校や非行など様々な問題を抱える児童生徒の背後にある家庭を、地域の専門機関や社会資源の活用によって改善を図り、児童生徒の問題を解決するための手助けをする福祉の専門家であります。スクールカウンセラーとは異なり、児童生徒本人の心のケアというよりも、子どもの環境を整え、生活面への支援を行うのがその目的であり、現在大変注目をされております。平成20年度から2カ年の国の事業化によって全国的な広がりをみせている状況でもあります。最初にスクールソーシャルワーカーに対する区としてのご認識をお聞かせください。

 他区では、生活保護世帯の不登校の児童生徒数は、一般家庭の約4倍との調査結果が報告されたことを仄聞しております。また、練馬区立中学校卒業者の進路状況では、卒業者の内、進学者・専修学校等入学者・就職者・海外転出以外のいわゆる在家庭者、つまり無業者が毎年一校1名程度出現しております。
これらの結果を区としてはどのように分析・認識されるのでしょうか。現在の区の体制では積極的解決には繋がっていかないものと考えます。このような場合大きな支援となるのはスクールソーシャルワーカーであります。スクールソーシャルワーカーの特徴は、家庭環境の要因に対し、従来の心理的なアプローチだけでなく、子ども家庭支援センターや児童相談所、福祉・医療施設など関係機関とも連携を図り、福祉的なアプローチで支援を行う点にあります。従来の対策が相談窓口の設置など不登校になった子どものための「出口対策」であるのに対し、スクールソーシャルワーカーは不登校の早期発見や対応、未然防止につながる「入り口対策」でもあります。区としてスクールソーシャルワーカーの設置を求めるものであります。御所見をお伺い致します。

 区では、平成24年度、光が丘学校跡施設を活用し光が丘第2小学校跡施設に(仮称)学校教育支援センターの開設を予定しております。素案では、教育現場をめぐる環境の変化に伴い、課題研究や教職員研修の充実、不登校児童生徒の支援等が大きくなっており、練馬区の教育の質・内容・環境を更に充実していくために現在の総合教育センターを発展的に改組し、新たに(仮称)学校教育支援センターを整備するとあります。計画では、現センターで開設している不登校児童生徒を受け入れるフリーマインドやトライ、そして学校教育部指導課が所管している学校現場のスクールカウンセラー・心のふれあい相談員が新たな(仮称)学校教育支援センターに統合され、不登校対策を一元化していこうというものであります。大いに期待するとともに、更に不登校の解決を機能的に推進させていくためにソーシャルワーク的役割をもたせていくべきであると考えます。児童生徒の置かれている様々な環境に着目して働きかけることができ、学校の枠を越えて関係機関とも連携し、児童生徒の自立を促す役割を果たすコーディネーター的存在であるスクールソーシャルワーカーを(仮称)学校教育支援センターに導入すべきと考えます。御所見をお伺いいたします。  
(平成21年 第4回定例会-11月30日)

【答弁】
薗部俊介教育長:
 スクールソーシャルワーカーは、教育分野だけではなく、社会福祉等の専門的な知識や技術を備えた相談員と認識しております。その活用例の多くは、専門性を生かし、関係機関と連携しながら、児童・生徒の置かれている環境に働きかけて、不登校等の問題行動の解決に努めていると理解しております。
 ご指摘のありました、生活保護世帯において不登校児童・生徒数が多くなる傾向につきましては、他区の調査結果として承知しております。また、中学校卒業後に進学や就職等をしていない無業者がいる状況につきましても把握しているところであります。
 教育委員会といたしましては、これらの問題の対応として、心のふれあい相談員やスクールカウンセラーによる相談活動を行い、更に、学校生活支援員等の支援、教育相談室や適応指導教室、ネリマフレンドによる支援も実施しております。今後とも、児童相談所や子ども家庭支援センター等との連携を進めるとともに、サポートチームを組織するなど、連携を強化してまいります。
 ご提案のスクールソーシャルワーカーの設置につきましては、さまざまな試みや意見がある中で、成果の検証が待たれているところであります。また、(仮称)学校教育支援センターの開設につきましては、練馬区における教育相談の拠点として、より一層の充実を図るため、事業内容の検討を現在行っているところであります。教育委員会といたしましては、スクールソーシャルワーカーが学校と福祉関係機関や保護者の間をコーディネートする機能に着目して、先行事例も参考にしながら、新しくできる学校教育支援センターへの導入を含め、その効果や必要性について十分研究してまいりたいと考えております。


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