No.70  中学校選択制について

教育についてお伺いいたします。
 練馬区の中学校選択制度については、平成17年度より導入され、来年度入学者を対象に8度目の手続に入っております。この制度の目的である保護者と生徒の意思を尊重することや、学校の特色づくり、活性化を一定程度達成していることは評価すべきでありますが、一方で学校間の生徒の流入・流出の差が大きく二極化していることや、選択動機が選択制導入の目的から乖離している面が見受けられます。それは通学距離の近さや友達関係、部活動が学校選択の主要となっており、また学校の荒れにまつわる風評が生徒を遠ざけている実態も報告されております。実際、平成20年度に行ったアンケート調査では、うわさ・風評等によって学校選択が行われると考える親が44.8%、教師では64.9%となっており、懸念すべき点であり、重く受けとめるべきであります。区はこの間、制度の見直しや修正を実施されてきましたが、いまだに抜本的な解決に至っていないのが実情であります。中学校選択制度に対する、教育長の率直な評価をお聞かせください。
 前橋市では、平成16年度より小中学校ともに学校選択制度を導入してきましたが、平成22年度から小中学校選択制度を廃止しました。前橋市学校教育課では、廃止の理由として、学校選択制による小学校での地域との結びの希薄化や登下校での安全確保の不安、中学校の部活偏重、荒れる学校に対する風評、流入する学校と流出する学校の二極化という点について、看過できない教育的弊害ととらえたのであります。
 学校選択制度は、内閣府規制改革会議の教育分野で推進すべきであるとの見解から、全国で進められてきた経緯があります。一方、平成21年の中教審に提出された資料の中で、学校選択制についての基本的考え方において、全国一律に推進すべきというものではない、メリットとデメリットを十分に考慮したうえで導入を判断すべきものである等の意見が出されております。私は、練馬区において、中学校選択制度の更なる検証が必要であると考えます。早急に見直しのための検討組織を立ち上げることを求めます。ご所見をお伺いいたします。
 選択制度を実施している中で、小規模校への区としての支援が欠かせないことは言うまでもありません。選択制度の課題として挙げられる一部は、選択制度の問題というよりも、小規模校の問題と言いかえても間違いありません。小規模校のよさ、メリットを存分に発揮し、まさに特色ある学校を築いていくことが大変重要であります。江東区や品川区のように、小規模校に対する特別予算を組んでいる自治体もあります。また、足利市のように大学と連携して理数教育を推進したり、合唱を通しての音楽教育の推進など、特色を出す取り組みも見られます。練馬区においても財政的・人的支援を更に進めていくべきであります。区のご所見をお伺いいたします。
 あわせて、小規模化が進んでいる学校に対して、区としてどのような支援をされるのかお伺いいたします。

【区の答弁】
河口浩教育長
  中学校選択制度についてであります。
 平成17年度から実施している中学校選択制度につきましては、区立中学校入学者の約20%が選択希望により入学しており、制度の目的である保護者・生徒の意思の尊重は概ね図られる等、一定の成果があがっているものと考えております。
 一方で、学校間の生徒数の差が広がる等の課題に対しては、平成20年に実施した検証をもとに、選択入学者の受け入れ人数枠の設定と、抽せんのあり方等について見直しを行ったところであります。しかし、学校の施設規模により、選択制度による受け入れができない、学校間における生徒数の差が解消しない等、依然として制度運用上の課題が存在していることも認識しております。そこで、教育委員会に検討組織を設置し、今後、再検証を実施するための方法などについて検討を進めてまいります。
 次に、小規模校への支援についてであります。
 小規模校においては、その特色として、多くの学校が小集団のよさを生かし、個に応じたきめ細やかな指導で学力の向上に努めています。教員の配置につきましては、少人数指導や複数教員による指導を実現できるよう、定数より多くの教員を配置しているところであります。加えて、区独自の学力向上支援講師の配置についても配慮しております。こうした人的支援を活用し、ある中学校では数学の授業で3年間を通して習熟の状況に応じた小集団編制を行い、基礎・基本の定着を図っております。また、学校選択の動機として挙げられることが多い部活動については、正規教員の少なさを補うために、専門性を有する外部指導員を配置して、その活性化を図っております。
 教育委員会といたしましては、今後も学力向上や部活動の活性化などの支援を通して、小規模校の特色ある学校づくりを進めてまいります。

( 平成24年 第1回定例会 )

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