No.92 教育委員会制度について

 教育についてお伺い致します。
 最初に地方教育行政の改正についてであります。
 昨年六月二〇日に公布された「地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律」が、本年四月一日から施行されることになっております。この法改正は、滋賀県大津市でのいじめの事案が直接の契機となっておりますが、以前より教育委員会合議体の執行機関であることによって生じる組織トップの分かりにくさ、意思決定の迅速さや機動性の課題、民意の反映や審議が十分でないなどの指摘がなされてきました。法改正に伴う区のお考えを以下お聞きします。

 一点目に、区長は総合的な施策の大綱を定めることとされておりますが、区の対応についてお聞かせください。また、総合教育会議の設置についてのスケジュール、構成員、区の考え方などの方針をお聞かせください。

 二点目に総合教育会議について文科省は、首長と教育委員会が教育行政の大綱や重点的に講ずべき施策について協議・調整する場であり、両者が教育政策の方向性を共有し、一致して執行することが期待される、と説明しておりますが、大変心配している点であります。教育の中立性確保の担保を区はどのように考えているのか、御所見をお伺いいたします。

 次に、特別支援教育について伺います。
昨年一月、日本は障害者権利条約を批准しました。障害者に関する初めての国際条約であり、その目的は、子どもを含むすべての障害者が人権と自由を持つこと、またこれらがもたらす利益を平等に受けられるようにすることであります。その中心として合理的配慮という考えがあります。これは障害者一人ひとりの必要を考え、その状況に応じた変更や調整などを財源や労力等の負担がかかり過ぎない範囲で行うことと言われております。障害のある人が教育制度一般から排除されないこと、地域の学校に行き、個人に必要な合理的配慮が提供されることが求められております。練馬区では、障害者権利条約の合理的配慮をどのように捉え、区の教育に生かしていくのか、御所見をお伺いいたします。

 二点目に、練馬区は平成19年3月にまとめられた特別支援教育あり方検討委員会報告に基づき、特別支援教育を進めてきました。一方その間、国は障害者自立支援法から障害者総合支援法への改正、東京都は発達障がいを含む児童生徒の支援を拡充する東京都特別支援教育推進計画(第三次実施計画)の策定など進められてきました。練馬区としても、改めて特別支援教育のあり方をまとめる時期と考えます。御所見をお伺いいたします。

 三点目に小中学校の特別支援学級についてであります。区は知的・情緒の特別支援学級についてその設置を進めていただいております。一方、肢体不自由児を受け入れる体制は整っていないのが現状であります。知的情緒と肢体の重複障害が多い中、今後の区の取り組みの考えをお聞き致します。

 次に読書教育についてであります。区民に読書に親しんでもらう取り組みの一つとして、「読書通帳」があります。我が会派から昨年の第一回定例会で提案致しました。この取り組みは、借りた本の履歴を目に見える形で残すことによって、区民の読書への意欲を高める効果が期待されております。富山県立山町では、児童貸出機で借りた本のデータが併設する読書通帳機に送られ、通帳を入れると借りた本の「タイトル」「著者名」「貸出日」が記帳される仕組みとなっております。通帳は町内の小中学生には無料で贈呈し、その他の利用者には一冊100円で販売しております。町内の小中学校の教員に読書通帳の取り組みを理解してもらい、読書通帳を利用して読書に挑戦する児童生徒を先生が励ますことで、より一層子ども達の読書意欲を掻き立てることになり、より高い効果が期待できます。また、立山町では、取り組みに賛同していただいた地元銀行に通帳製作費を負担していただき、地元団体からの寄付を活用し読書通帳機を購入するなど地元の理解と協力を得て取り組んでいることも大きな特徴であります。読書通帳の導入は、財政負担を抑えた効果的な取り組みの一つとして推進できるものであります。
区の御所見をお伺い致します。

【区の答弁】
前川燿男区長
 教育委員会制度改革についてであります。
 まず、自治体の長が定める大綱は、練馬区における教育の目標や根本的な施策の方針を示すものであります。総合教育会議において教育委員会と十分に協議し、来年度内を目途に策定してまいります。
 総合教育会議は、区長および教育委員会で構成し、4月中には第1回目を開催します。総合教育会議では、区政運営の新しいビジョンをもとに、児童・生徒の学力向上や教員の資質向上、教育環境の整備などについて具体的な取り組みを協議してまいります。
 次に、教育の中立性についてであります。
 このたびの制度改革は、教育の政治的中立性を確保しつつ、教育行政における責任の明確化や自治体の長と教育委員会との連携の強化などを図る目的で行われました。自治体の長と教育委員会との権限や役割に変更がないことから、教育の中立性は担保されているものと考えています。
 大綱の策定や総合教育会議の協議にあたっては、教育の政治的中立性、継続性、安定性の確保に留意しながら、新しい教育のあり方を積極的に提起してまいります。
 私からは以上であります。

教育振興部長
 私から、特別支援教育と読書教育についてお答えします。
 はじめに、特別支援教育における合理的配慮についてです。
 国では、合理的配慮の事例として、教員や支援員の確保、施設や設備の整備、個別教育支援計画や指導計画に対応した柔軟な教育課程の編成、教材の配慮などを挙げています。
 区では、現在、児童・生徒の障害の特性に応じ、必要な施設の改修、人的支援、教育的配慮を行っているところです。今後、国から示される基本方針やガイドラインに基づき、障害に対する理解の促進や人権擁護の事例などを教育に生かすとともに、合理的配慮の考えに基づいた適切な対応を図ってまいります。
 次に、今後の特別支援教育の取り組みについてであります。
 障害者にかかわる法律の改正や東京都特別支援教育推進計画第三次実施計画に基づく体制の整備など、特別支援教育を取り巻く状況は大きく進展しています。こうした状況も踏まえ、これまで設置を進めてきた特別支援学級等のあり方、増加傾向にある就学相談や配慮を要する児童・生徒への支援のあり方について、区として今後の方向性をまとめる時期であると考えています。知的・情緒と肢体不自由の重複障害児に対する教育環境のあり方も含め、特別支援教育の更なる充実に向けた新たな方針の策定を検討してまいります。
 次に、読書教育についてです。
 全国的に子どもの読書離れが進む傾向の中で、区においても子どもの読書離れにどのように対応していくかが課題となっています。
 ご提案の読書通帳は、子どもをはじめ図書館利用者にとって、図書館で借りた本の履歴が一目でわかり、読書記録を自己管理できることから、読書意欲の向上につながる方策の一つであると考えています。読書通帳については、図書館システムの改修などのイニシャルコストや実施効果等を精査しながら検討してまいります。

( 平成27年 第1回定例会 )

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