No.11 学校の情報提供について

【質問】
 平成14年、文部科学省より出された学校設置基準の省令改正に伴い、児童・生徒や保護者の教育活動への一層の理解を深め、地域に信頼された、開かれた学校づくりを行う上で、各学校の有する情報を積極的に提供することが求められております。学校の情報を公開する中で、特に重要性を増してくるのは、学校教育目標とその目標実現のための行動プランであります。
 はじめに、共通する教育課程について、行動プランの情報提供はどのように進んでいるのか、その進捗状況をお伺いいたします。

 第2点目に、各学校におけるシラバスの作成であります。
 シラバスとは、教えるべき目標、学習内容、学習方法、教師の指導方法、評価等の概要を児童・生徒、保護者に向け示したものであり、欧米で発達したものであります。シラバスにより、児童・生徒はあらかじめ授業の全体構成や内容を知ることができ、教師は他教科との調整や学習内容の共有化が図られるとの利点があります。これまで大学や一部の高校で作成されてきましたが、最近では小・中学校でもシラバスを作成する学校が増えております。
 このような観点から、練馬区においても小・中学校でのシラバスの積極的な推進を図るべきであります。そのためには、教育委員会が中心となって、シラバス作成の手引きを作成し、各学校に情報提供をしていくことが重要であると考えますが、ご所見をお伺いいたします。

 また、各学校のシラバスの公開においては、学校紹介のホームページに掲載し、積極的に情報公開を進めるべきであります。そのことにより、児童・生徒や地域との信頼関係を深め、安心感を醸成することにも役立つものであります。シラバスは、学校の説明責任を最も効果的に果たす役割を持っていると考えます。

【区の答弁】平成17年第3回定例会にて
薗部教育長:
 はじめに、学校の情報提供についてであります。
 学校からの教育情報の提供は、開かれた学校づくりの一環として、地域、保護者の学校への理解が進み、協力が得られ、教育活動の一層の充実を図る上で重要であります。学校教育目標とその目標実現のための行動プランにつきましては、学校長が作成する学校経営方針に当たるものと考えます。この行動プランといえる学校経営方針は、すべての学校において学校のホームページ上の公開や学校だよりの発行、保護者会等を通じて保護者や地域に情報提供が行われているところであります。
 区内全域で共通する教育課程の情報提供とのご提案ですが、特色ある教育活動ができるよう計画を策定し、その計画などを自校の特色に基づいて学校から主体的かつ情報を受け取る側の立場に立って、わかりやすく情報提供をすることが重要であると考えております。教育委員会といたしましては、今後とも各学校が教育課程を含めた具体的な教育情報の適切な提供を積極的に行うよう働きかけてまいります。
 次に、シラバスの作成についてであります。
 シラバスの作成によって、授業のねらいや内容を児童・生徒と教師が共有化できるよさがあり、児童・生徒の意欲的な学びの定着・向上が期待できる有効なものであると承知しております。ご指摘のシラバスに関しまして、説明責任を果たす観点からも、各学校ではホームページや学年だより等によって教育課程や各学校の授業計画を知らせたり、評価・評定に関する保護者説明会を開催したりするなど具体的な授業計画を公開することに取り組んでおります。
 また、今年度教育委員会では各学校に「授業を改善するための計画」の作成とその公開について指導しております。これもシラバスの一つと考えております。今後ともシラバスの考え方を踏まえた授業等についての情報提供を各学校が積極的に行うように働きかけてまいります。
 ご提言いただきましたシラバスの手引きを作成し、学校へ情報提供することに関しましては、既に学校が公開しているものも少なくないことや、分量・質などを含めた情報提供のあり方を広く考えなければならないことから、今後の研究課題とさせていただきたいと思います。

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