次に、小児がんの対策についてお伺い致します。
小児がんは5歳から14歳の子どもの死亡原因の第一位であります。治癒した後も後遺症による発育発達障がいや臓器障害に加え、二次がんを発症することもあり、小児がんの患者と家族は、成人のがん患者とは異なる課題を抱えております。そこで以下数点お伺い致します。
国の第2期がん対策基本計画に小児がん対策が盛り込まれ、第3期計画にも継続されております。国は、平成25年より全国15ヶ所に小児がん拠点病院を指定し、質の高い医療の提供と相談体制の充実を図っております。早期治療で小児がんと診断された子ども達の70〜80%は、病気に打ち勝ち生存できる時代となりました。そのためにも今後、行政の責務として小児がんの早期発見の具体的な取り組みを進めていく必要があると考えます。最初に区としてのご認識をお伺い致します。
2点目に小児がん診断ハンドブックの活用についてであります。昨年6月、厚労省は、各都道府県に対し「小児がん診断ハンドブックの周知について」として事務連絡を行いました。東京都では東京都小児がん診療連携協議会が中心となり、小児がんを発症した患者の方が地域の小児科などを受診した際に小児がん拠点病院等に速やかに紹介され、適切な医療を受けることができるよう、一般小児科医に向けて小児がん診断ハンドブックを作成し、診断の向上を目指しております。厚労省は、この事務連絡で関係学会や全都道府県へ、小児医療にかかわる医療機関等に対しこのハンドブックを周知するよう依頼したところであります。そこで練馬区においても小児がん診断ハンドブックの周知を強化すべきと考えますが、区の御所見をお伺い致します。
3点目に小児がんの中の網膜芽細胞腫という眼球内に発症するがんについてです。発症は出生児1・5万に一人と決して多くはありません。眼のがんは、発見が遅れると眼球摘出、失明、脳への転移などの大変な状況にもなってまいります。希少がんのために検診で相談されず母子手帳などへの細かい記載が無いことから発見時の母親の心理としてこの病気を知っていればとの後悔の念が強く自責の念にかられるとの相談もありました。今後、乳幼児の訪問や乳幼児健診、相談等、ポスター・パンフレットなど活用した広い普及啓発活動を推進していただきたいと考えますが、区の御所見をお伺い致します。
4点目に関連して感染症がんについてです。子宮頸がんはHPV、肝臓がんの多くはHBV、HCV、胃がんはヘリコバクター・ピロリ菌による感染症であることが判明しております。3つの「感染症がん」で日本のがんの25%を占めることになりました。特に胃がんについては、親が子どもにピロリ菌を移しているため親が除菌すればさらに子どもの感染が減り、最後は消滅して十数年後にはほぼ胃がんが撲滅するとの予測もあります。区として「感染症がん」に関してはがん検診の推進とともに、中学生に対するピロリ菌検査など一歩踏み込んだ対策を進めるべきであります。御所見をお伺い致します。
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( 平成30年 第3回定例会 )
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