近年、「脱ゆとり教育」で教える内容が増加し、教員の負担はさらに増加しております。特に20年度からは英語が教科化され、プログラミング教育も始まり、教育の内容がさらに高度化します。文部科学省の中央教育審議会では、教科ごとに専門の教員が教える「教科担任制」を小学校高学年に導入する議論がスタートしたところであります。練馬区では小中一貫校として9年目となった大泉さくら学園で一部教科担任制が行われております。
最初に、小学校高学年で行われている教科担任制の評価をお伺い致します。
また一般小学校においては、校長裁量によって主に5・6年生で交換授業を実施している学校もあります。これは教える教育内容の高度化に対応し、より専門性の高い授業を展開する目的があります。また教材準備の時間も削減され教員の働き方改革にも資するものです。私は現在の交換授業もより積極的に推進すべきと考えますが、御所見をお伺い致します。
2点目に、文科省の「問題行動・不登校調査」による報告では、2017年度小中学校で14万4031人の子ども達が不登校であり統計開始の1998年以降で最多となりました。練馬区では不登校の状況はどのようになっているのでしょうか。特にこの10年で小学生の増加が目立ちます。区としての見解をお伺いいたします。
練馬区は平成29年練馬区教育委員会不登校対策方針を策定いたしました。その中の不登校対策方針では、1未然防止2初期対応3再登校支援4社会につながる支援、とあり同意するものです。スクールソーシャルワーカーの活用やフリースクール等との連携を図られております。現在の状況についてお伺い致します。
私は、今まで以上に学校外の諸機関と連携を図り、不登校対策を進めるべきと考えます。今春、福岡県太宰府市では「キャンパススマイル」という新事業を開始しました。これは太宰府市教育委員会と市内の筑紫女学園大学が連携し、学校に行きたいけれども行けない、学習意欲はあるけれど学校以外のところで勉強したいという小中学生に対して、同大学が大学内に居場所を作るとともに、専門の養成講座を受けた学生が、子ども一人に対して二人でサポートする体制を整えたものです。一緒に勉強したり、趣味の話などもするなど伴走型の支援を行い、大学と教育委員会の連携で活動報告書を提出すると学校の出席日数に反映されます。このような学校外の諸機関との連携を重層的に拡大すべきと考えます。区の御所見をお伺いいたします。
3点目に社会保障に関する教育についてお伺いいたします。現在、学校教育においては「学習指導要領」に基づき、「社会科の公民分野」や「家庭科」で社会保障が扱われております。しかし教育課程の中で社会保障について充てることができるのは数コマであります。一般社会の中で社会保障制度が存在している経緯や背景となる考え方を十分に教えられる計画にはなっていない面があります。我が国では少子高齢化が急速に進んでおり、これからの労働社会保障制度を支える世代に対し「働くこと」「社会全体で支え合うこと」の意義を教え伝えることは、大変重要であります。現在練馬区では、社会保険労務士の皆さまのご協力で数校で年金セミナーを実施しております。このような機会を区内各学校に大きく拡大していただきたいと考えます。御所見をお伺いいたします。
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( 平成31年 第 回定例会 )
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