No.140  多胎児家庭の支援について

 ふたご・みつごなど多胎家庭の虐待事件のニュースが報道され胸が痛みます。多胎家庭のお母さんからは、「妊娠中は、ふたご家庭の知り合いがなく情報のない中で不安で過ごした。育児中には、ほとんど寝ていない毎日の中、同時泣きや交互泣きに対応し、家からどこにも出られず誰とも会えなかった。」と孤立し追い詰められた経験を伺いました。出産はハイリスクであります。練馬区として、ふたご等の多胎児家庭の支援について今後さらに、医療・行政・地域保健・福祉・教育などの分野が連携し、地域の中でネットワークとして支えていくことが求められています。以下数点お伺い致します。

 一点目に孤立予防についてであります。
 母親の中には、家族の理解のなさに悩んだり、孤立感を感じたりする場合もあります。また子どもを平等に接することができずに悩んだり、双子の上の子供に手が回らず悩む場合もあり、母親の思いを聞き、カウンセリングなど精神面でのサポートも大変重要です。岐阜県では、保健相談所による相談体制とともに、多胎児を育てた経験者が、多胎妊婦が入院する病院を訪問し入院中の妊婦の相談をしたり、退院後には訪問を希望する家庭を訪問し、一日赤ちゃんとのみ向き合っているお母さんたちとの何げない会話を通して、悩みの相談の対応にあたっています。練馬区内の多胎育児経験者のグループを区が支援し、区内の多胎家庭を多胎育児経験者が支援する体制を整えていただきたいと考えますが、区の御所見をお伺いいたします。また、各家庭に育児経験者が訪問する相談体制を整備していただきたいと考えます。併せて御所見をお伺い致します。 
次にふたご手帖・ふたご記録ノートの活用についてです。
 単胎妊娠との経過の違いから、先が見えず不安を抱えたままの妊娠生活を送る多胎妊婦は少なくありません。また多胎は概ね単胎よりも早く、小さく生まれるため出生後も母子健康手帳の身体発育曲線から外れてしまうことで悩む母親が大勢おります。ふたごの妊娠から乳児期の成長や育児に関する情報がまとめられているふたご手帖は母親にとって安心し役立つものとなります。また、母親を孤立から救う一番のパートナーである父親にも多胎児の育成を理解する支援となります。母子健康手帳とともにふたご手帖・ふたご記録ノートを配布し活用する体制を要望いたします。御所見をお伺いいたします。

 二点目に育児負担の軽減についてです。
 多胎児の場合、管理入院などにより入院期間が長く、体力が低下した状態で育児がスタートします。また一人歩きができるようになる一歳六か月まで多くの乳児検診や予防接種が必要となりますが、多胎児の場合は、単胎児と比較し、ベビーカー、おむつなどの持ち運びのサポートのためタクシーに乗車する頻度が格段に高くなります。子育てのタクシーを活用しスムーズな外出を支援し、子育てしやすい環境整備を図るべきと考えますが、ご所見をお伺いいたします。

 三点目に経済的負担を減らす支援ついてであります。
 多胎児家庭では、必要なミルクやオムツ、着る物等に単胎児家庭の2倍3倍の費用がかかります。またベビーカーなど特有の育児グッズが必要不可欠であります。そのような状況の中、多胎児の洋服やベビーカーなどの育児グッズ等のバザーやリサイクル等の機会を提供している自治体もあります。細やかに経済的負担を減らす支援を進めていただきたいと考えますが、区の御所見をお伺い致します。

( 令和2年 第1回定例会 )

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