No.41 教育について

 教育についてお伺い致します。

 一点目にコミュニティースクールについてであります。
 学力低下や問題教員など学校教育の荒廃が指摘されて久しく、国も区もその対応を進めているところであります。そのような中で現在、コミュニティースクールの導入などによって公立学校の再生・活性化に成功した事例が都市・地方を問わず数多くあり、注目されております。コミュニティースクールは、平成16年6月に「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」が改正され、その中で制度化されました。この法制化のプロセスでは、公明党が強力にバックアップしてまいりました。コミュニティースクールは、学校運営協議会が設置され、学校を核に家庭や地域社会が連携・協力し、学校教育に取り組む制度であります。制度的な最大の特徴は、この学校運営協議会という住民を含む第三者機関に対して、教員採用人事について一定の権限を与えたことであります。このことは区として教員人材を育成し、区で採用することが可能となるわけであります。区として学校評議員制度の充実とともに、コミュニティースクールのモデル校を設置し、新たな地域と学校が協力する体制を推進すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。

 2点目に発達障害についてであります。
区は、本年6月より、学校巡回相談専門家チームを設置し、通常学級の特別な教育的支援を要する児童・生徒の早期発見・早期対応を促進し専門的な意見の提示・助言を行うことを決定しました。これは、特別支援教育を推進していく上で重要なことであり高く評価いたします。特に小学校1・2年生に対しては丁寧な対応を図っていただきたいと要望いたします。また、区立保育園・区立幼稚園においてもこのような支援策を是非実施していただきたいと考えます。御所見をお伺い致します。

 また、発達障害の子どもたちにとって療育という観点はとても重要であります。このたびの学校巡回相談専門家チームの設置にあたっては、一人ひとりの子どもとその保護者が心身障害発達センターや医療機関での療育を進められる体制を整えていただきたいのであります。御所見をお伺いいたします。

 また、特別支援学級の設置されている学校では、通常学級の発達障害の子どもが、特別支援学級へ行き支援を受けることが実施されております。また逆に、特別支援学級の子どもが、通常学級の授業に参加する取り組みも実施されております。特別支援学級の設置されていない学校では、特別支援教室を設置し、教育的支援を充実すべきであると考えます。御所見をお伺いいたします。

 3点目に読書活動についてお伺いいたします。
 練馬区は、平成14年より、4ヶ月健診の際に絵本を配付するブックスタート事業を展開しております。絵本を通して親子関係を深め、生涯にわたる読書習慣を築くために評価の高い事業であります。今後、区として発達段階に応じた読書に親しむ機会をさらに提供していくことは大変重要であります。そこでブックスタート事業を第1弾として、継続的に絵本の魅力を伝えるために、3歳児健診や小学校一年時に絵本をプレゼントする「セカンドブック事業」の実施を提案致します。御所見をお伺い致します。

【区の答弁】平成21年 第2回定例会にて
薗部俊介教育長 私から、教育に関するご質問についてお答えいたします。
 まず、コミュニティスクールについてであります。
 現在、学校運営についてさまざまな機会に校長が意見を求める学校評議員を、すべての小中学校に設置しております。更に、保護者などによる外部評価として学校関係者評価を行い、いただいたご意見を踏まえながら、校長が学校運営の改善、充実、円滑化を図っているところであります。また、あわせて、学校や保護者、地域の方々との連携による学校応援団事業を実施しております。
 ご提案いただきましたコミュニティスクールにつきましては、保護者や地域住民の方々が一定の権限と責任を持って学校運営に参加することによって、学校と家庭、地域が一体となって学校の教育目標を共有し、教育活動を充実させることができる一つの仕組みであることは承知しております。一方、先行実施している自治体においては、予算、人事をめぐる校長や教育委員会との権限の調整、校長と協働して学校を適切に運営できる委員の人選、事務局を教員が行う場合の教員の負担増など、さまざまな課題があると認識しております。
 教育委員会といたしましては、コミュニティスクール導入自治体の動向に留意しながら、まず学校評議員や学校応援団の充実、連携の強化を図りながら、保護者や地域の方々のご意見等を学校運営に反映させてまいりたいと考えております。
 次に、発達障害についてであります。
 まず、学校巡回相談専門家チームについてであります。この専門家チームは、区立幼稚園、小中学校に在籍する児童・生徒を対象として発足いたします。専門家チームの活動に当たっては、児童生徒への望ましい教育的対応を目指してまいりますが、小学校1・2年生に対しましては今後も丁寧な対応に努めてまいります。
 一方、区立保育園におきましては、既に専門家による巡回指導を実施しております。従いまして、まずは新設する専門家チームの円滑な活動を図るとともに、保育園との効果的な連携方策について検討してまいります。
 次に、療育との関係についてであります。
 学校巡回相談専門家チームが、学校および保護者に提示した意見に実効性を持たせるためには、ご指摘のとおり、福祉や医療など関係機関との連携を深めることが重要であります。今後、心身障害者福祉センターなど、関係機関との連携のあり方を検討していきたいと考えております。
 次に、特別支援学級の設置についてであります。
 練馬区は、情緒障害等通級指導学級について、小学校は8ブロックに1か所、中学校は4ブロックに1か所を設置すべく増設に努めております。また、都は平成20年度より特別支援学級未設置校に対して、通級指導学級教員が巡回して指導を行うモデル事業を実施しております。
 教育委員会といたしましては、このモデル事業実施の推移を見守るとともに、特別支援学級が設置されていない小・中学校での支援のあり方について、ご指摘をいただいた特別支援教室の設置を含め、検討してまいります。
 次に、読書活動についてであります。
 子どもの発達段階に合わせた、読書に親しむ機会の提供と読書環境の整備を図ることは、生涯にわたる読書習慣を身につけるうえで重要なことと認識しております。
 ご提案の「セカンドブック事業」につきましては、大変意義あるものと考えております。しかしながら、配付方法や配付時期、対象年齢、経費などについて検討すべき課題もありますので、ブックスタート事業の成果等を検証する中で、そのあり方について検討してまいります。

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