No.57 学校支援について

 文部科学省は、平成20年度より、企業を退職した団塊の世代の人材を教育分野で活用する「教育サポーター」の資格制度を創設しました。これは、一定の研修を経て学校での指導法等を学んだ方を「教育サポーター」に認定するもので、意欲があり優れた知識・技術を持つ方が教育現場で活躍するチャンスを広げることは大変価値的であると同時に、子どもにとっても、社会経験豊かな第三者と関わりをもつことは人格形成に大きな影響を与えることになります。練馬区として、「教育サポーター制度」も含め、外部人材の活用の推進を求めるものであります。御所見をお伺いいたします。

 練馬区では、本年度、再任用として学校現場で校長として働いている方が10名おられます。また学校生活支援員や中学校の部活動を支援する外部指導員の人材バンクの活用など学校支援のための人材活用を図られております。今後、さらに多くの学校外部からの人材を活用すべきであると考えます。練馬区の小学校2校では東京都教職員互助会が実施している退職教職員ボランティア活用事業を利用し、退職された元教員が学校現場で子どもの育成に活動されております。練馬区としても都の退職教職員ボランティア活動事業を学校現場に周知徹底し積極的に活用すべきであります。御所見をお伺いいたします。 また、退職された教職員を学校支援の活動に協力していただく「ボランティア制度」を構築していくべきであります。御所見をお伺い致します。

 練馬区は東洋大学と協定書を結び、往還型教育実習を進められております。教職を目指す大学生にとって大学現役時代から学校現場で子どもに接することは大変貴重なことであります。また子どもたちにとっても年齢が近いお兄さんお姉さん的な大学生とふれ合うことで、学習意欲を高め、学習活動がより充実されております。東洋大学に続く他大学の往還型教育実習の推進とともに、区内大学との教育交流を求めます。御所見をお伺い致します。 

 次に外国人子女の支援についてであります。不就学など外国人子女の教育問題の背景には、外国人子女の教育が義務教育ではないことや就学状況が把握できない外国人登録制度の問題が根本にあります。そのような中で現実に練馬区では本年約330名の外国人子女が区立小中学校で教育を受けている実態があります。就学相談や「こども日本語教室」の開催、学校には日本語等指導講師を派遣するなど外国人子女に対する支援策はありますが、一方で日本語が身に付かず周りの子どもと交流が出来ず不登校になってしまう子女もおり、今後さらなる支援が求められております。また、ある程度日本語が理解でき友人との交流も図られている外国人子女も学力の向上が大きな課題となっております。いわゆる「ダブルリミテッド」「セミリンガル」と言われ母国語と日本語の両言語が中途半端な状況にあり、語学習得により当然養われる高度な認知言語能力が、どちらの言語においても身に付かないため結果として学力が向上しない場合であります。
是非、教育センター内に組織を立ち上げていただき、外国人子女に対する日本語習得と学力向上の総合的な支援を求めるものであります。御所見をお伺いいたします。

 最後に、小学校外国語活動について伺います。外国語指導員の小学校への派遣は、21年度27時間、22年度31時間と練馬区として着実に支援をしていただいております。学習指導要領の改訂により23年度の外国語の本格実施に伴い英語活動は35時間となります。是非、外国語指導員の全時間派遣を求めます。御所見をお伺いいたします。
(平成22年 第2回定例会)

【答弁】
薗部俊介教育長:

 私から、教育に関するご質問についてお答えいたします。
 はじめに、学校支援についてであります。
 外部人材の活用の推進でありますが、知識や経験の豊富な人材による学校教育活動の支援は、教育内容の充実が図られるとともに、高い教育効果が得られ有効であると認識しております。練馬区におきましても、学校生活支援員や部活動外部指導員、心のふれあい相談員、学力向上支援員など、個々の事業でその充実を図っているところであります。ご提案の教育サポーター制度導入につきましては、学校教育だけではなく生涯学習も関係してまいりますので、導入自治体の事例等も参考にして検討してまいりたいと思います。

 次に、退職教職員の活用についてであります。
 退職後も児童・生徒の指導を希望する教員につきましては、その専門性を生かし、再任用教員、あるいは非常勤教員として引き続き現場で力を生かしていただいております。都の退職教員ボランティア活動事業も、こうした方々の力を生かせる場であります。本区では、現在2校で実施しておりますが、再度学校に周知し、積極的に活用を図ってまいります。
 また、ボランティア制度の構築についてでありますが、退職教職員につきましては、外部人材活用の事業についても同様に協力を得ております。ボランティアとしての活用につきましては、教育サポーター制度とあわせ、他自治体の事例等も参考にしながら研究してまいります。

 次に、区内大学との教育交流についてであります。
 大学との連携は、教育活動を充実するうえで大変効果的な手だての一つであります。区内大学との交流につきましては、武蔵野音楽大学の学生が小中学校の音楽指導にかかわる取り組みや、武蔵大学の学生が近隣の小中学校と交流する活動も継続しております。教育委員会といたしましては、引き続き、大学との教育交流の拡充に努め、教育活動の支援を進めてまいります。

 次に、外国人子女の支援についてであります。
 日本語の理解が十分でない児童・生徒への支援の必要性につきましては、十分認識しております。現在、教育委員会では、それらの児童・生徒に対し、学校からの要請に応じて日本語指導講師を派遣しております。一方、これらの児童・生徒の話す言葉は多様化しており、対象児童・生徒も区内に広く居住しています。まずは現在の派遣事業の充実を図り、ご提案の教育センターにおける更なる支援策につきましては、その効果や必要性について調査してまいりたいと考えております。

 次に、小学校外国語活動についてであります。
 担任とともに指導にあたる外国語活動指導員につきましては、着実に配置時数を拡充してきております。教育委員会といたしましては、教員と外国語活動指導員の資質向上を図りながら、今後とも全時間の配置に向けて引き続き努力してまいります。

 ( 平成22年第2回定例会 )

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